「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
幻想郷に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い博麗神社の鳥居をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、攻撃的な弾幕。スペルは連発しないように、気合避けに頼らないように、まったり戦うのがここでのたしなみ。
もちろん、被弾ギリギリでスペルが使えなかったなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。
「ごきげんよう」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
幻想郷に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い博麗神社の鳥居をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、攻撃的な弾幕。スペルは連発しないように、気合避けに頼らないように、まったり戦うのがここでのたしなみ。
もちろん、被弾ギリギリでスペルが使えなかったなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。
私立東方塾。
明治三十四年創立のこの学校は、生粋の弾幕馬鹿のために作られた貴重な学校なのだった。
明治三十四年創立のこの学校は、生粋の弾幕馬鹿のために作られた貴重な学校なのだった。
「きりーつ」
やる気の無い声。委員長である博麗 霊夢だ。彼女は普段からやる気のない様子だが、自然に皆をまとめられる力があるので気づいたら委員長になっていた。
「礼」
「おはようございます」
生徒達が挨拶をする。このクラスの担任である上白沢 慧音先生は、このような礼節に非常にうるさい。怠けている生徒がいようものなら、満月の夜に問答無用で頭突きの罰が待っている。
「うむ、皆おはよう。今日も弾幕と勉強に勤しんでくれ。さて、先生から皆に出していた宿題を集めるぞ」
慧音は担任であると同時に歴史の先生でもある。皆はそれぞれ教壇に宿題を出していくが、慧音が数えるとどうも人数が合わない。
「……誰だ、宿題を忘れたのは」
クラス全体に緊張が走る。その時、窓の方の席から手が上がった。手を上げたのは霧雨 魔理沙であった。
「昨日はつい魔法の研究に没頭してしまったんだぜ」
「魔理沙、満月の夜に襲われるのと、今日中に宿題を出す。どちらがいい?」
慧音は普段はとても温厚だが、宿題忘れの生徒には非常に厳しい。
「……てやっ!」
立てかけてある箒を掴み、窓から外に逃げる魔理沙。向かった場所は校庭だ。
「そうか、そこまで嫌か」
慧音も他の生徒のことはお構い無しに校庭に駆け出す。この学校には一つだけ他の学校とは違ったルールがあり、互いの意見が合わなかったときは双方一枚ずつのスペルカードバトルで意見を決めるというものだった。
「霊夢、どうすんのよ?」
霊夢から見て斜め前の席にいるアリス・マーガトロイドが呆れたように問う。霊夢もため息をついて
「ほっときましょ、いつもの事なんだから」
そういって次の授業に備えた。校庭では魔理沙と慧音が弾幕バトルの真っ最中であった。
「あらら、魔理沙が押されてる。今日は慧音の勝ちかしら」
窓から校庭の勝負をレミリア・スカーレットが愉しそうに見ている。はたから見る弾幕バトルは、息を飲む美しさだ。
「レミリア、さっさと席についておかないと怒られるわよ。次は数学なんだから」
「うぇ、あいつかぁ……」
やる気の無い声。委員長である博麗 霊夢だ。彼女は普段からやる気のない様子だが、自然に皆をまとめられる力があるので気づいたら委員長になっていた。
「礼」
「おはようございます」
生徒達が挨拶をする。このクラスの担任である上白沢 慧音先生は、このような礼節に非常にうるさい。怠けている生徒がいようものなら、満月の夜に問答無用で頭突きの罰が待っている。
「うむ、皆おはよう。今日も弾幕と勉強に勤しんでくれ。さて、先生から皆に出していた宿題を集めるぞ」
慧音は担任であると同時に歴史の先生でもある。皆はそれぞれ教壇に宿題を出していくが、慧音が数えるとどうも人数が合わない。
「……誰だ、宿題を忘れたのは」
クラス全体に緊張が走る。その時、窓の方の席から手が上がった。手を上げたのは霧雨 魔理沙であった。
「昨日はつい魔法の研究に没頭してしまったんだぜ」
「魔理沙、満月の夜に襲われるのと、今日中に宿題を出す。どちらがいい?」
慧音は普段はとても温厚だが、宿題忘れの生徒には非常に厳しい。
「……てやっ!」
立てかけてある箒を掴み、窓から外に逃げる魔理沙。向かった場所は校庭だ。
「そうか、そこまで嫌か」
慧音も他の生徒のことはお構い無しに校庭に駆け出す。この学校には一つだけ他の学校とは違ったルールがあり、互いの意見が合わなかったときは双方一枚ずつのスペルカードバトルで意見を決めるというものだった。
「霊夢、どうすんのよ?」
霊夢から見て斜め前の席にいるアリス・マーガトロイドが呆れたように問う。霊夢もため息をついて
「ほっときましょ、いつもの事なんだから」
そういって次の授業に備えた。校庭では魔理沙と慧音が弾幕バトルの真っ最中であった。
「あらら、魔理沙が押されてる。今日は慧音の勝ちかしら」
窓から校庭の勝負をレミリア・スカーレットが愉しそうに見ている。はたから見る弾幕バトルは、息を飲む美しさだ。
「レミリア、さっさと席についておかないと怒られるわよ。次は数学なんだから」
「うぇ、あいつかぁ……」
鐘が鳴り、少し経って教室に新たな人物が入ってくる。
「うん、皆ちゃんと席についているな」
声の主は八雲 藍、数学教師である。藍はぐるりと教室を見渡すと、魔理沙がぐったりと机に突っ伏しているのに気づいた。
「お、おい魔理沙、大丈夫か?」
魔理沙の代わりに霊夢が答える。
「慧音先生の宿題を忘れたんで勝負を挑んだのですが、昨日をなかった事にされて宿題をまた出されたんだそうです」
「なるほど……自業自得だな、授業はしっかりと聞くんだぞ」
魔理沙は突っ伏しながら、わかってるぜ、と返した。
「よし、じゃあ授業を始めようか」
藍の一言で、東方塾の一時間目が始まった。
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